2009年8月30日日曜日

身の丈に合ったきもの予算

これからきもの属になりたいと思う方は
買う前に、まずきものの掘り起こしをしてみましょう。

◆箪笥の肥やしになっているきものをみんな出してみましょう。自分のきものでもうろ覚えだったりします。忘れているきものがあることも。
◆母親にきものを持っていないか聞いてみましょう。自分が知らなかっただけで持っていることもあります。お祖母さんのきものが出てきたりすることも。
◆きものを着るようになったら、親戚の集まりなどへ積極的に着ていき、きものに興味があることをアピールしてみましょう。叔母様方が「私のきものを着てくれる?」といってくださらないとも限りません。可能性大です。

きものも帯もいただきもの。感謝です。

                       ◆帯は母の形見です。
吉備レモンさんのこのきものは
  叔母様からのいただきもの。


私は今のところなるべくお金をかけないようにきもの遊びをしようと思っています。
買う場合の値段の目安は洋服と同じくらいまで。
それは、家計に負担をかけないのはもちろん
きものにお金をかけすぎると、
もったいなくて気軽に着られなくなり、
結局、遠のいてしまいそうだから。
といっても、誰もがお金をかけない方がいいと思っているわけではありません。
むしろ経済的に余裕のある方は、
ぜひ、別誂えでいいものをつくってほしいと思います。
そうしないと日本の伝統技術が引き継がれなくなってしまいますから。
誰もが、自分の身の丈に合ったきものとの関わり方をすることが、
きもの文化の継承につながるんじゃないかな~なんて。

2009年8月24日月曜日

夏のこぼれ話

この夏はきもの遊びの合い間をぬって、
娘のカヌーのレースの応援によく行きました。
カヌーには水辺がなくてはいけないので
競技場は町ぐるみで力をいれてくれる地方、ということになります。
車で何時間もかけて行き、レースはほんの1~2分。フ~~~~
一般の人の目に触れる機会はほとんどなく関心ももたれない。
そんな競技でもひたむきに取り組んでいます。
親バカですが、去年まではきものの似合う色白だったんですけど…。


きもの→海→きもの→海→きもの→湖
なんだか落差の激しい夏でした。

精進湖のカヌー競技場は富士山付き

お盆休みに老犬を3日間ほど預かりました。
うちのワンコはほかの犬が苦手で、
春に預かったときには一緒にならないように
住み分けていました。ところが今回は
私が寝たきりの老ワンコにご飯をあげたり、
マッサージしたり、オムツを替えたりしている様子を
ちょっと離れたところから
じっと静かに見つめていました。
動物は明らかに弱いものに対して
決してちょっかいを出したりはしないのですね。
不思議です。

艇尾の白糸 立つ波に消え 夏過ぎぬ

2009年8月21日金曜日

秋恋し、酒蔵できもの作戦会議

ついこの間、長梅雨が明けたかと思ったら、
もう秋の気配を感じます。


この夏は、時間に余裕があったこともあり、
きもの心に火のついた北摂プラムさんと千里グレープさんと
よく会い、笑い、食べました。
3人での夏の最後のお出かけは
灘の酒蔵のひとつ、福寿の酒心館へ。
こう秋めいては夏きものを着る気にはなれず
この日は3人とも洋服です。

造り酒屋のシンボル杉玉が招き入れてくれます。

レストランは週末には満席のことも多く、
前回、前々回はふられていたので、
3度目の正直でようやく入店できました。

入り口脇に置かれた虫かごから鈴虫の音が響きます。
煮魚、お豆腐、湯葉、炊き合わせなど胃にやさしいランチ。

話題はもっぱら秋に向けての作戦会議。
持ち合わせのきものに
どんな帯を手に入れるとコーディネイトの幅がふくらむか…
私の場合、趣味にこだわって選ぶと失敗したりします。

これは北摂プラムさん所有のきものと帯のカタログ。
こうしてまとめておくと組み合わせを考えるときに役立ちます。

酒蔵だから利き酒コーナーがあったり
絞りたての日本酒をいただけるのは魅力。
素敵な和雑貨も置いています。

かわいいガーゼのタオル。

うまく写真に撮れませんでしたが
千里グレープさんのファッションにぴったり。
小千谷ちぢみをご自分で洋服に仕立てたのもです。


このあと酒心館から兵庫県立美術館へ向かったのですが
そちらのことは、また後日。

2009年8月18日火曜日

復活・再生、きものエコ心

まだ8月というのにお盆を過ぎると
一気に夏きものが季節はずれに感じます。
部屋に吊るした麻のきものも片付けどき。


今夏はけっこうきものをよく着ました。
やっぱり、夏はいかに涼しくするかがポイントです。

でも、私の正絹絽きもの+化繊長襦袢は、見た目より暑かったので、
今年は盛夏用に麻のきものと長襦袢を手に入れたいと思いました。


いつものようにネットオークションで探しても
どうも縁がありません。
今年はダメかなとあきらめかけていたとき
たまたま近所で開催していたリサイクルきもの市で
イメージにぴったりの麻きもの発見。

それに合わせて麻の長襦袢をネットオークションで買うことにしました。
なるべくお安く、できれば文楽の日に間に合わせたい、
そう考え、とても古そうなもので手を打ったのです。
もし汚かったら袖だけ取って持っている2部式長襦袢に付替えればいいかな…
ところが、そんな心づもりも打ち砕かれるような品が到着しました。
「これは材料にもならない」
「失敗することもあるよ。私がバカだったわ」
「捨てるしかないかな」

ほとんどあきらめかけていたのですが
ものは試しで、漂白してみることにしたのです。
すると、「あれ、ずいぶんマシかも?」
それから一番汚かった裾を切り、袖口の裏を取り、ちょこちょこっと縫い直し、さらに再度漂白。
なんということでしょう~!!
まるでビフォー&アフター、
結構見られるものになりました。


上ビフォー、下アフター、感動しました。


ケチらずに良品を買えばすむことですが
この蘇り感がたまりません。
役目を終えたきものを“再生・復活”
あるいは、仕立てられたまま誰にも袖を通してもらえず眠っていたきものに息を吹きかける。
私にとってリサイクルきものはそんな感覚です。

2009年8月14日金曜日

きもの家宅捜査隊、出動!!

先週金曜日には千里グレープさん宅へ
きものの捜索に出かけました。
前回北摂プラムさんと3人でお茶したときに、
次にどんなきものを手に入れるかという話になり、
とりあえず何があるかを把握するため
「よし、グレープさん宅へのりこもう!」
ということになったのです。

「何も持っていない」と言っていたグレープさんですが
これはダメ、と思っていたものが案外着られたりするもの。
畳紙の結びを解き、きもの一枚ずつに帯を当てながら
3人であれこれ組み合わせを考えました。
自分では考えつかなかった組み合わせができたり
お互いの好みがわかったり
ひとつひとつの作業自体がもう楽しくって。

ひと通りチェックを終えたら
着付け教室のようにお互いを見ながら着付けし、
パナソニックリゾート大阪という施設のなかのレストランへ。

私は文楽のときの麻きものにプラムさんから借りた博多帯で変化を楽しみました。足元は今日は下駄でカジュアルに。

着た時にこういう写真を撮っておくと、組み合わせを忘れません。着付けのチェックにもなります。

このお料理に飲み物を入れて3000円でおつりがきました。保養所だけど実は一般の人も利用できるそう。
雰囲気はホテル並みなのにお値段お手ごろ。
住宅街の一角にこんなところがあったのですね。
いい穴場を教えていただきました。

2009年8月12日水曜日

きもので文楽

先週はよく動きました。
すぐ書き込めばいいのにため込んだら
書き出しにくくなってしまいます。
子どもの宿題と同じですね。

4日火曜日には、
吉備レモンさんから文楽のお誘いを受け
国立文楽劇場へ行きました。
子どものころ学校から文楽鑑賞へ行った
かすかな記憶はありますが、
まともな文楽を観るのはおそらくこれがはじめてです。

題目はシェイクスピアの「テンペスト」から翻案したもの。
権力争いに破れ、孤島に追われた大名が魔術を使って恨みをはらすというストーリーですが、

パンフレットを見るだけではイメージが沸きません。
長梅雨がやっと明けて太陽が照りつけるなか、
きもの姿は気合がいるので
ほんのちらほらしか見かけません。


吉備レモンさんのこの日のきものは、小千谷縮み風の薄い白緑地に松葉柄が全体に入ったさわやかな夏物。帯は簡単着付けの付け帯です。






私はざっくりした麻の楊柳のきもの。
琉球柄っぽいですが、どこのものかよくわかりません。

夜の開演なので鑑賞前に軽く腹ごしらえ。
暑くて外を歩きたくなかったから
劇場内のレストランで幕の内弁当をいただきました。
1200円だからご飯が固めでも仕方ないかな。


文楽は屋台の中だけで演じるのかと思っていたら、
案外動きが大きくて、舞台全体を使っているのに驚きました。
今回の演目に限って、
妖怪や動物が飛び回っていたからかもしれません。
おもしろ味があって親しみやすかったです。

2009年8月3日月曜日

お気に入りの民家カフェ

先週、きもの姿で我が家へ立ち寄ってくれた
千里グレープさんと北摂プラムさんを、JR摂津本山駅近くの閑静な住宅街にある民家を改装したカフェへ案内しました。

板塀に瓦屋根の門をくぐると
イギリス風のハーブガーデンが広がります。

今日の二人のきものは藍揃え。プラムさんは花火の日と同じ青のお召しの組合せ。
グレープさんは夏の結城紬風のきものにくすんだ水色・グレー地に臙脂柄の単帯。

店内は和風の民家をそのまま生かして改装してあり
ここが床の間だったんだなあ、なんてわかります。
古民家とまでいかない家なのに
壁紙や調度品でこんな雰囲気にできるなんて…
イギリス人が昔の日本家屋に住んだらこんな感じかも。

額に飾られているのは、たぶん帯?
ポット敷きの布は、たぶん袱紗?
鶏のグリルにパン、サラダ、デザート、ドリンクのついたランチがおすすめ。
ドリンクは紅茶専門店ですから、ぜひ紅茶を選択しましょう。

実はスコーンでも有名なお店。マヌカハニーをかけていただくと絶品です。

雰囲気がよくて、くつろげて、美味しい!!
当然いつも岡本界隈の女子大生とおば様で賑わっています。私もそのおばさんの一人なのですが、本当はあまり混み合ってほしくない…
だから、これで分かった人だけ行ってください。

あ~、やっぱり意地悪ですよね。お店の名前は
『Tea room MANOR HOUSE MOTOYAMA』です。