2012年8月28日火曜日

甲南大学公開講座レポ/その4


恵美須パープルです。
ロンドンオリンピックも終わってしまいましたね。
出場選手のお母さんと同い年だったりする私ですが、子どもにスポーツの才能があれば、オリンピックをめざす子育てがあっていいと思います。
6~7月にかけて受講した甲南大学の春期公開講座「子どもの才能を伸ばす環境づくり」についての備忘録最終回は、年齢に応じてするべき運動についてです。

《その4 児童期の子どもにさせておくべき運動》

子どもと大人では、そもそも体の構造が大きく違います。
ちょっと驚きますが、子どもの骨はつながっていないんだそうです。つまり、骨の端の軟骨部分に伸びしろがあって、まだ固まりきっていないという意味。そのため子どもに骨がねじれるような動きをさせると、骨端が損傷する危険があります。
だから、子どもに運動をさせる場合には、成長速度を考慮して、身長がいつまで伸びるかチェックしながらトレーニングすることが重要。大人と同じメニューを始めるのは成長速度が落ちてからでいいのです。

骨の成長に不可欠なのが、成長ホルモン・性ホルモン・甲状腺ホルモン。これらが相互作用しながら成長を調節していきます。いずれも食事、運動、睡眠によって分泌されていくので、体づくりにはその3つのバランスが大切。
昼間の運動で軽い疲労感が誘発され、11時までに就寝、食事はカルシウム・ビタミンD(魚類に多い)・タンパク質をしっかりとる…というような生活習慣が理想的といえます。
寝ない子どもに「早く寝ないと背が伸びないよ!」と言うのは間違いではないようです。

さて、子どもに運動をさせるといっても、年齢に合わせた適切な内容でなければ、効果的に力を伸ばせません。時期別に何をすべきなのか、要点を紹介します。
プレゴールデンエイジ(59歳)
楽しみながら基礎をやらせよう
興味のあることに夢中にはなっても、面白くないと感じたらすぐにやめてしまう時期。そのときどきで楽しんでいることを大切にしながら、自主性を損なわせないように運動を行わせる。ボールを使った鬼ごっこなど、遊びの中で体を動かす楽しさを教える。
ゴールデンエイジ(912歳)
ここで正しい技術を教えよう
神経系の発達が成人に近づき、動きの巧みさを身につけるのに最も適した時期。物事を短時間で覚え、競争心も旺盛なので、ここで多くの技術を学ばせることが将来大きく伸びるポイント。この時期に素晴らしい指導者に出会かどうかも重要。
ポストゴールデンエイジ(1316歳)
動きが鈍くなっても叱らないで
筋肉や骨格が急速に伸びて感覚が狂ったり、思春期や反抗期を迎えて肉体的にも精神的にも不安定な時期。上達に時間がかかったり習得した技術が一時的にできなくなることも。男女差など体格や体力的にも差が出てくるので、個人に合わせた指導と理解が必要。

いろんな時期を超えて子どもを一流のアスリートにするには、本人の素質や努力はもちろんですが、適切な指導者と親からの不断のサポートが必要不可欠といえますね…(遠い目)。メダリストが必ず「ここまで来られたのは多くの方々のお力のおかげ」とコメントする気持ちがよくわかりました。

また、運動能力と学業成績は比例することがわかっているそうです。確かに、体力テストが高い県は学力テストも上位。運動で養った集中力は学業にも力を発揮するようですし、運動ができることで、自己を肯定することができるそうです。

そして、子どものときに運動が嫌いになった子は、大人になっても必ずといっていいほど嫌いなままなんだとか。特に偏重する気はないものの、健康増進の意味もこめて、スポーツは生涯を通して楽しみながらできるに越したことはありません。我が家の息子は別にスポーツ得意じゃなくてもいいけど(すでにそんな感じなので)、それがコンプレックスにならないようにはしてあげなくちゃ…。