2012年7月3日火曜日

甲南大学公開講座レポ/その1


こんにちは、恵美須パープルです。

45歳で初産した息子がもうすぐ3歳になります。
更年期プチ症状が炸裂しながら日々子育てに追われていて、なかなか自分だけの時間が作れないなか、
現在、甲南大学の春期公開講座「子どもの才能を伸ばす環境づくり」(社会人対象/全5回)を受講中です。
脳科学、スポーツ科学、心理学からのアプローチのため、テーマを子育てに限らなくても興味深い話だと思いましたので、印象に残った内容を数回に分けてご紹介しますね。
自分の言葉になるとどこまで正確にお伝えできるかわかりませんが…、雑学程度に読んでいただけると幸いです。


《その1 脳の発達について》

ヒトの脳にはさまざまな情報を持つニューロンという神経細胞があって、成長するとともにどんどん分裂して増えていきます。この分裂が活発なのが母親のお腹の中にいるときで(ピーク時で毎分25万個誕生!)、終了するのが生後2歳ごろ
そしてその神経細胞同士がシナプスという繊維で次々につながっていき、ビシバシに情報を伝達しながら加速度的に発達していくというわけです。このシナプスも出生後には神経細胞1個あたり2500個くらいついていて、増えて最大密度になるのがこれまた2歳くらい

その後シナプスの数は一旦減少するのですが、その理由は人間にとってムダな情報を省きシナプスを作り直していくという作業が始まるから。たとえば、人間の赤ちゃんは、人間の顔ばかりではなく、動物の顔も個体別の細かな違いを完璧に見分けられるそうですが、そんな能力って別に人間社会を生きていくのに必要ないでしょう? だからそこは省いてしまうと。
そのほかにも、この世の中を生きていくために必要な情報をどう処理して記憶するのが最適かを試行錯誤しながら、最短のシナプスで情報を処理できるようにするのです。
つまり、回路をより効率よくシンプルにするということでしょうか。

凄すぎるわ、脳。
でも、いらないものを削っていくなんて、ちょっともったいない気もします。

だから、3歳ごろで記憶がいったんリセットされているのはこういう理由です。
「改めて最適な方法でこの世界を学習していく」ことが始まるのが3歳ごろからなんですね。
うーん、うちの息子は今ちょうどここらへんだ。

ということは、赤ちゃんの脳はまっさらなのではなく、すでに自らの世界観を持っている状態だということ。このことを知ってから、出先で見かける赤ちゃんを見る目が変わってきました。

こうして発達が続いて、12歳でほぼ成人と同じ容積になるそうです。
もちろん、人とのコミュニケーションや道徳などに影響するような、あとから発達していく部位もありますが、初期の爆発的な勢いはありません。

ところで、子供の脳神経の発達に大きく影響するのが、睡眠。
睡眠によって記憶の整理・定着・統合・忘却などを行うのです。
ですから、幼少期の睡眠不足は脳に悪影響を及ぼすことが知られていて、
特に記憶・学習に問題が生じたり、相手の顔の表情を見て理解する力が低下するんだとか。
睡眠を司るホルモンのメラトニンを分泌させるためにも、
静かな暗い部屋で10時間以上(未就学児)は寝るのがいいとのことです。

もちろん、脳は身体代謝の20%を使うというエネルギーの大食らいですから、
大人だって脳を休めてあげないといけませんよね。
良質の睡眠を得るために早寝早起き、規則正しい食習慣を…。
結局はそこにつながるんですね。
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毎回大教室がいっぱいになり、質疑応答は時間が足りなくなるほど多く、
アカデミックな雰囲気の中で講義を聴くのは新鮮でした。
説明はすべてパワーポイントを使って、時には動画も挟み込んで視覚的にも工夫されており、
自分が大学生だった30年前とは隔世の感がありました。
和文化の箸休めに、ボチボチお伝えしていきます。